高校野球のマネージャーも読むとてドラッカーの『マネジメント』を読んでいる。
エッセンシャル版とあるように、もともとは上中下の三部作になっている。
エッセンシャル版だからなのか、抽象度がやや高く、しいたけ占いよろしく「何か言っているんだけど何を言っているのかはよくわからない」というような印象。
実際に読む前に想像していたものと違い、経営という意味でのマネジメントに加えてより広い範囲での社会をどうマネジメントするか?というような議論も扱われているのが意外だった。
ドラッカー自身の経験から経営のために大切なことをまとめているので箴言集のような印象を受ける。
もちろん実例(デュポン、IBM、ドイツ銀行といった企業でのエピソード)を交えてはいるのだが、「おじいちゃんから孫に伝えたい大切なこと」みたいなものがコアにある気がする。
一例を引きたい
知識もさしてなく、仕事ぶりもお粗末であって判断力や行動力が欠如していても、マネージャーとして無害なことがある。しかし、いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、真摯さに欠けていては組織を破壊する。
(ドラッカー『マネジメント』エッセンシャル版p148 )
結構大胆な断言ではないか。
しばしばプレーヤーとして優秀なこととマネジメントとして優秀なことは違うとはいうが、仕事ぶりがお粗末だと普通は害をなすと思ってしまう。
もともと、この本を読もうと思ったのは、会社員生活の中で「パーパス経営だとかMVVみたいな昨今の経営者が経営計画の際に考えることの源流にはドラッカー経営学がある」と聞いたので深い理解のために原典をあたりたいという動機だった。
たしかに『マネジメント』は、企業の中で会計的目標ではなく志のようなものを重視する姿勢を示しているものとして古典的な著作であり、はっとさせられるような文言が次々と出てくるが「なぜそうするとマネジメント(経営)がうまくいくのか?」はあまり教えてくれない。
ドラッカーの著作は素読はすぐできるかもしれないが、本当の意味で理解するためには、言葉を受け止めたうえで自分の平素の仕事の鑑として照らし合わせる必要があるようだ。
時間を空けて再読したり、構成の図解などを試みようと思う。
とりあえず今日はここまで。