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表題の本を読みましたので、紹介と雑感。
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高校時代、国語の古典の夏期講習で某予備校から外部講師の方が来られていて
「この兼好法師のことを吉田兼好として記述している場合があるんですが、本人が生きていた時代には卜部兼好か兼好法師として名乗っているので、このひとの幽霊に出会ったとき『おーい、吉田ぁ』と呼んでも反応してくれません。『おーい、卜部ぇ』が正解です」
などというような解説をしてくれた記憶があります。
いや、そのシチュエーションはないだろ…と思ったあの夏。
古典は古典であるがゆえに数十年たっても変わらず読まれているわけですが、研究によってその理解が深まっていくのは興味深いですね。
時間軸でいうとますます離れて行っているのに。
核心は当該書籍で。
個人的に今日興味深かったのが、兼好法師の時代の朝廷のあり方(内裏にのこのこ入ってくるやつがいる)や、庶民が貴人の行動を見物する際の建前(被り物をしていれば黒子扱いしてくれる)といったあたりでしょうか。
現代人の感覚や別の時代の知識をもっていると一瞬意味が分からない記述が古典には多くあり、その意味が分かると価値観が拡張される感があります。ある種の異文化交流。
新書を久しぶりに読みましたが楽しい読書体験でした。